発展編

 

(A) オシロスコープで波形を観測

だれもが持っている測定器ではありませんが、もし手に入るようであればオシロスコープを使って、入ってくる光の様子を波形で観測すると面白いでしょう。

オシロスコープの入力をフォトトランジスタの両端にセットし、適度なスイープ周波数と、入力レベルを調整します。

写真はビデオデッキのリモコンですが、独特のパルス信号を出している様子がわかります。光伝送の歪みを測定するとき、やはり波形を見ながらやると視覚的に捉えることができます。

   

(B) 長距離で通信するために

今回製作の光通信セットでは、特別な工夫をしなくても3m〜5mくらいの通信が可能です。暗いところでやればさらに飛ぶかもしれません。

これをさらに遠くまで通信できるようにするためには光学系の装置をつける必要があります。右写真ではLEDの正面に虫眼鏡を置いていますね。これだけでもかなりの効果があります。

送信機と受信機の双方に焦点距離の長い、正確なレンズ(たとえばカメラの望遠レンズなど)をつければかなり距離が伸びるでしょう。ただし、LEDの発光面が必ずしもピンポイントではありませんので、自ずと限界があります。

   

(C) 安定した通信をする

光を直接飛ばして遠距離通信にチャレンジするのも面白いですが、音の良い安定した通信をするためには光ケーブルを用います。他の光ノイズを遮ることがもっとも重要です。

受信機側はワイヤレスとピンジャックによるケーブル両用の仕様ですが、送信機の方は少し改造しなければなりません。

左の写真はオプションキットを使って、送信機側も両用に改造したところです。オプションケーブルの一端を見ているところですが、LEDの赤い光が伝わってきているのがわかりますね。

写真は送信機と受信機をケーブルでつないだところです。

@のオシロスコ−プで送信側の波形と、受信側の波形が同じ形になるように、それぞれのボリュームで調整していくとかなり忠実な伝送が行われていることに気付きます。

ケーブルの長さを変えていくと若干音質が変わることがあります。一般に高音が落ちていきます。送信側でやや高音を強調(プリエンファシス)し、受信側で高音を下げる(ディエンファシスする)とさらにノイズの少ない通信が可能になります。

   
(D) その他のアイデア

@ 長距離通信のためにはレーザー光を用いると良いでしょう。レーザーダイオードは、プレゼンテーションのポインティングディバイスとして、かなり普及していますので手に入れることは容易でしょう。一度使うと、レンズなどの光学系でどうにかしようという気力が失せます。(笑)
  実際やってみた実験があります。
こちらを参照してください。

A 実験として面白いと思いますが、紙コップの底を切り取って、そこにアルミフォイルを貼り付けます。ちょうど糸電話の底がアルミ箔になっているような感じです。これに強い光を当てて、受信機の方向に反射させます。何かしゃべってみますと、あら不思議、スピーカーから声が聞こえる・・・。実用性は乏しいですが楽しい実験です。
   
参考サイト

B 今回の送信機は実験レベルの超簡易回路です。せめてアンプを入れマイク入力できるようにするとよいでしょう。光ケーブルインターフォンなどは如何でしょうか。オプションのLM-386アンプを使うと、ゲインが高いので、コンデンサマイクの音を増幅して、受信機側に届けることができるようになります。
LM-386のようなアンプはアウトプットにVCCの半分のDC電圧が出ていますので、アンプの出力にボリュームを入れるだけでLEDは点灯し、同時に変調もかかります。お勧めの方法です。

C 多重通信に向けて
多重通信にはさまざまな方法がありますが、周波数の高いキャリアを準備し、そこに低周波を乗せていくやり方が一般的ではないでしょうか。しかし、ここは大いにアマチュアイズムを発揮して、あくまで「アナログこてこての」アイデアで勝負しましょう。
たとえば、二つの入力ソースを二色のLEDでそれぞれ光らせ、ミックスした上で送信します。受信側では元の色を分離し(プリズムや色セロファンを使うのです!)それぞれを復調するなんてアイデアは如何でしょうか。

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